【実録】3年間の学習塾経営本音の記録

虚飾一切ナシの本音(名前は仮名)

学習塾の進化/各ステージの特色と注意点(その1)

         心配している人のイラスト(男性)

学習塾の経営にはそれぞれのステージに応じてやり方を変えていかなければいけません。

 ステージというのは生徒数や教室の場所や合格実績などによって変わって来ますので一概にコレコレがどうだとは言えないですが、次のような分け方が簡単だし現実だと思います。

閑古鳥ステージ(3~6ヶ月ぐらい)

1番苦しいステージだと思います。

最初は夢と希望を胸に始めた塾ですが、生徒がなかなか集まらず、経済的にも精神的にも疲弊して行く時期ですね。

来る日も来る日もガラーンとした教室でただただ時間をつぶす毎日。

塾用に設置した電話も全然鳴らず、壊れてるのかなと思って自分のケータイから塾の電話にかけてみたりしましたね。

たまに問い合わせが来ても、入塾までには至らず徐々に問い合わせの応対をするのさえ億劫になってきます。

塾によって差はあるでしょうが、最初はこんな感じでスタートします。

問題はこの閑古鳥状態がどこまで続くかです。

私は最初の生徒が来たのは開業4ヶ月めでした。

周りの同業者をみていますと、最初の生徒が来るまでの閑古鳥状態は平均的に3~6ヶ月のようです。

中には半年待たずに看板を降ろしてしまう塾もありますが、個人的にはちょっとあきらめが早すぎかなぁと思いますね。

せめて半年は様子を見た方が良いと思います。

ちなみに半年経っても生徒が1人も来ない塾は高確率で看板を降ろすことになっている気がします。

 正念場ですね。

 この時期は生徒確保がどれだけ難しいかを嫌というほど味あわされるでしょう。

と同時に、自分が塾経営に向いているかどうかが分かって来る時期とも言えます。

特に大手で雇われ講師をしていた人に注意してもらいたいことなんですが、学習塾経営はハイレベルな授業や上手い説明ができることとはあまり関係が無いということをハッキリ認識すべきです。

授業というのは生徒が居てくれて初めて意味があるのです。

授業なんてものはその付録ぐらいに考えておいて丁度いいと思います。

この時期は、資金が許す範囲で広告を打ったり、近所のお店に塾のチラシを置かせてもらったり、登下校中の生徒へビラ撒きをしたりといった集客に力を入れるべきです。

黙って塾の看板を揚げてさえいれば放って置いても生徒や母親の方からやって来るなんていうのは、ある程度の知名度や実績がある塾のことです。

できたばかりの無名の個人塾のことなんて誰も知りません。どうぞ、自塾の宣伝と生徒集めに注力して頑張って下さい。

 補習塾ステージ

やっと生徒が来てくれて、念願の授業をすることが出来るようになりました。

一安心です。たとえ1人であっても生徒が居るというのはありがたいものです。

でも、この生徒は貴方の望んだそれとは違うんです。

学力は平均以下で、毎回のように遅刻して来るし、授業もロクに聴いてくれない、宿題もやって来ない。

ここら辺のことは、当時の私の日記を読んでくれた方が早いと思いますので、掲載します。

(当時は中3の男の子が1人だけでした)

今日も遅刻して来た。

しかも宿題もやってない。

で、ヘラヘラ顔で平気。

先週なんかテキストを忘れやがった。

一体何考えてんだよ、舐めやがって!

母親も母親だ、車で送り迎えしてるんだから遅刻するかどうかわかるだろう?

スミマセンの一言もないのかよ。

今の親ってどうなってるんだ。

ヤル気がないなら塾なんて来るなって言いたい。

怒鳴って退塾にしてやりたいが、今は我慢だ。

1人しかいない生徒だから仕方がない。

とにかく今は我慢。耐えろ、自分!

 イヤー、怒ってますねえ(笑)

私はあまり怒らない方だとは思うんですが、この時期は生徒や母親に対してマイナスの感情ばかりが渦巻いていたと思います。

 本来なら退塾にしたり、そもそも入塾させないような生徒でも、この時期にはグッと我慢して面倒を見るしかありません。

というのも、できたばかりの個人塾に来るような生徒というのは、その地域の問題児であるケースが多いからです。

問題児、というのは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも勉強をする気のある子なんてマズ来ません。

ヤル気がなくて素行の悪い、高確率で他の塾でお断りされた生徒たちばかりなんです。

そして、最も困るのが親がモンスターであること。

もう、クレームやワガママばかりで本当、嫌になりました。

 閑古鳥ステージが集客のステージだとすれば、この補習塾ステージとは我慢のステージといえるでしょう。

ちなみに、この時期は徐々に生徒が増えて行ったとしても、当分は受験レベルではなく学校の宿題程度のことしか扱えません。

理由は上述したように、レベルが低く、ヤル気のない生徒しか来ないからです。

でも、少しづつですが生徒や親の質が良くなって行きます。

というよりも、そうして行くのです。

このステージでは少しづつですが(生徒が増えるに連れて)入塾基準を上げていったり、あまりにも素行の悪い生徒は退塾にすることによって「入れ替え」をしていくのです。

どこまで入れ替えができるかは分かりませんが、もし上手く行けば次の進学塾ステージへとステップアップすることが出来ます。

ですが、おそらく世の中の学習塾の8~9割はこのステージで停滞しているのではないでしょうか。

次の進学塾ステージへ移行するには、時間をかけてハイレベルな学校への合格実績を出していき、地域にそういう認知をさせる必要があるからです。

ヤル気のない生徒の学力を上げて、高校なら地域のトップ校へ、大学なら国立大学へ合格させることの難しさは相当なものなんですよ。

次の進学塾ステージへのステップアップを目指すのも一手なんですが、そのハードルは高いです。

なので、このステージで教室展開をするのもまた一手です。

 世の中にある学習塾の大多数が補習塾だということを考えると競争が激しいというマイナス面もありますが、補習塾経営にはプラス面もあります。

まず何と言っても講師をみつけるのが楽なことです。

教えることと言ったら、せいぜいが学校のワークレベルの学習ですので、学生時代にちょっと勉強がデキたぐらいの人でも講師役が務まります。

進学塾であれば学生バイトも国立大学や場合によっては医学部生ぐらい揃えないといけないケースも出てくるんですが、補習塾であれば一応大学生であれば十分だし、子育てが終わった昔優等生の主婦でもいいのです。

このことは人件費の削減にもなります。

昨今の個別塾のバイトの時給なんて800円とか1000円といったコンビニ並みであることからも分かるでしょう。

かなり長くなりましたので、いったん区切ることに致します。

つづきは、その2で。